なぜ、「熱中症」になってしまうのか。
私たちの体内では、運動や代謝によって、常に熱が作られています。
また、異常な体温の上昇を抑えるためのシステムが備わっています。
例えば、暑いときは、皮膚にある温度センサーが温度を感知すると、皮膚表面の血管を拡張して体内の血液を集めて、外気へ触れさせることで放熱します。また、血液中の水分から汗を作り出し、汗を蒸発させることで体温を下げようとします。
この状態が、なんらかの理由で崩れてしまうと、体温が著しく上昇します。さらに、めまいや吐き気を起こしたり、脳貧血で失神することもあります。
このような状態を「熱中症」と言います。
本来、人間の体は、冬には「冬の体」、夏には「夏の体」になります。
・冬の体とは、体温が下がりにくいよう血管を収縮させ、汗をかきにくい体質
・夏の体とは、体温が上がりにくいよう血管を拡張させ、汗をかきやすい体質
暑さに対応できる「夏の体」になることを、「暑熱順化」と言います。
「暑熱順化」できない人の傾向は、
1.暑さが苦手なため、梅雨時期から、冷房を使用している
2.室内にいることが多く、外出する機会が少ない
ことが挙げられます。
熱中症患者が、一年を通じて一番多いのが、梅雨明けの時期です。
「冬の体」から「夏の体」にうまく変えることができない人は、熱中症になりやすいのです。